Safe Place OPEN STAR Written by Natsumi

本を読むって楽しい!読書大好きな子になる秘訣

FAMILY

読書好きな子の共通点

小学校教員をしていた経験から、

たくさんの子供たちと接する機会がありました。

延べ1000人くらいの学齢期の子どもと関わってきていると思います。

その中でやはり、「読書に親しめる子」は、思考力が高く、情緒が安定しているという良さがあると感じました。

読書好き1年生 外国籍の男の子

特別支援級を担当をしていた時の話です。

外国籍の一年生の男の子がいました。

ご両親共に外国籍。

家庭では外国語で生活しています。

一年生のときは、感情のコントロールに問題があることと、

こだわりが強く、集団行動を取りににくいということで特別支援級に在籍していました。

彼が好きなのは、絵本でした。

一年生のときは、「ねずみくんのチョッキ」シリーズを好んで読んでいたように思います。

このシリーズは、幼児対象のもので、一年生より少し下の年齢の子が対象の本です。

絵から場面を読み取り、笑ったり、感想を述べたりしながら物語に親しんでいました。

この子は絵本に親しむことで、考えたこと、感じたことを言葉に表す機会を、たくさん得ることができました。

その結果、IQもその時点で一般級の子と差があまりなかったこともあり、言語の習得が、しっかりとできたように思います。

4年生のときには、敬語も使いこなすことができていました。特に親しんでいたのは『解決ゾロリシリーズ』

ギャグ中心の本ですが、文字の量も多く、一冊を読み終えるには、読解力がないと難しい作品です。

4年生の時点で、この子の学習言語は、日本語になっていました。

物事を思考するとき、ベースは中国語ですが、

日本語でも論理的に思考する力がついていたので、日本語での授業にもついていける力がついていました。

その結果、6年生では一般級へ編入しました。

感情コントロールの面についても、

自分の感情を言葉が説明できるようになったことや、イライラしたり悲しくなったりした時の場面の状況を客観的に捉えて理解したりする力もつき、

少しのサポートで、解決できるようになっていました。

ここに至るまでに、読書がとても役に立っています。

登場人物のセリフ、考え方、

色々な人の生活場面などに読書をすることで、

出合うことかできます。

この子の様子からも、思考力の向上と情緒の安定に、読書が役立つといえるのではないでしょうか。

読みたい本を決める力

おそらく多くの学校が、朝読書を取り入れているのではないかと思います。

また、1週間のうちに1時間は、図書の時間というのがあり、

自分で好きな本を選んで借りるという活動をしています。

子どもによっては、自分で読みたい本が決められないという子がいます。

朝読書の前、図書の時間、どちらでも

読みたい本が決められなくて、本棚の前を歩いている時間が長くなってしまうのです。

読みたい本を選ぶというのは、様々な力が必要です。

  1. 未知のもの、新しいものに触れることに、興味をもてる力
  2. 題名から、お話の内容を想像する力
  3. 表紙の絵から、お話の内容を想像する力
  4. 「好き」を素直に表現できる力
  5. 文字を言葉のまとまりごとにして読む力

4つ目は、1年生で初めてひらがなを学習することになっているので、子どもによっては、スラスラと読めない子がいるという実態があります。

小学校でも、幼児用の絵本は多数配本しているので、子どもに応じて、教師が本を勧める力が必要です。

私が感じたのが、子どもによって、読み聞かせの経験量に大きな差があること。

おうちの人の膝の上で、一緒にお話を楽しむ経験がたくさんできているかどうかが、本に対する興味関心、抵抗感、などに大きく影響しているように感じました。

この手法はあまりしないのですが、読解力、読書力にあまりに差があるクラスを受け持った時、朝読書の時に、一人で読めない子を集めて、読み聞かせをしていたことがあります。

学校のルールで、必ず、自分の席に着席して、一人で読むというものがあったので、他の教員にその点を指摘されなければいいなと思いながら行っていました。

赤ちゃん用の本から始め、挿絵を指さしたり、一緒に声に出したりして

読書は、楽しむものだということを感覚的に覚えてもらうことが目的でした。

同時に、好きな本を選ぶことを手伝う時間をしっかり取るということです。

自己肯定感が低い子、自信のない子、慎重な子、自分の欲求を素直に伝えるのが苦手な子、

そういった子は「これが好き!」と思うものを見つけるまでに時間がかかります。

大人が見守る中で、本を選び、「面白そうな本だね。」「楽しそうだね。」

「素敵な本を選んだね。」などの肯定感を高める声かけが必要です。

読書活動が充実したものになれば、自己肯定感も向上させることができます。

このことからも、読書量が情緒の安定につながるということが言えるのではないでしょうか。

幼児のうちは、文字を読むより絵を読む力を伸ばそう

読書が大事だと認識している大人の方は多いと思います。

それが、「ひらがな」を早く覚えさせるためだと考えている方も

多いように思います。

幼児の段階で、「ひらがな」を意識させることは、お話を楽しむことを邪魔してしまう可能性が高いのでお勧めできません。

耳で聞き、言葉のリズムや音の楽しさを味わったり、

絵の鮮やかさや、面白さを味わったりすることが大切です。

耳から言葉を聞きながら、

絵を見るという二つのことを、子どもたちはしています。

そこに、幼児の段階から、「ひらがな」を意識するのは難しいことで、

耳から言葉を聞くこと、

絵の面白さを味わうこと、これをひたすらしていくと

ひらがなが読めなくても、絵を見ながら自分でお話しを想像して

一人で読めるようになってきます。

その時点でも、「ひらがな」を意識させる必要はありません。

自分から、「ひらがな」に興味を持ち出すタイミングがやってきます。

これは、モンテッソーリ教育でいうところの「敏感期」というものです。

絵本の絵というのは、場面の大事なところを切り取り、要約したものです。

絵を見て、何をしているかが分かるか、ということがとても重要です。

1年生の教科書に「はなのみち」というお話があります。

4月末の授業参観に当てて行う内容があるのですが、

ひらがなの読めない(まだ教えていないので読めていないことが前提となっています)

お話の場面を、話の挿絵を4枚だし、その順番を考えるというもの。

つまり、文字は読めなくても

絵を見て、起承転結の順番を組み立てる力が必要だということ。

絵を見て、「くまさんの持っている袋の中に何が入っているだろう」

「最初の絵には、木に葉っぱが何もついていないから、季節は冬だね。」

そういったことが、考えられることが大切です。

冬の後に春がやってくるという生活に関する知識も、必要になってきます。

幼稚園、保育園でそういった学びができるように活動しています。

おうちでも、普段の生活からそういった会話をしていることと思います。

ゆっくりと散歩している時間が、とっても大切であるということ。

早くから「ひらがな」を読めるようになるよりも、

お母さんと絵本を読むって楽しいな。

お父さんと絵本を読むって面白いな。

という体験がとっても大切です。

欲を言えば、物語に親しめるようにすると同時に、動物園に行った後に、お気に入りの

「シロクマ」について書かれた科学系の本を借りてみる。

「そこで働く飼育員さんに一日」に親しむ説明文の本を借りてみる。

生活に関連させて、選書をしていくことで

子どもの世界がぐんぐん広がっていきます。

子どもにとって読書は遊びの一つ

これは、今までの教育のあり方にも問題があるのかもしれませんが、

読書=学習と認識している大人が多いということ。

学習、教えられるものと思ったら、きっと子どもは楽しくないですよね。

読書も子どもにとっては遊びの一つ。

そうインプットされた子どもは、自分から進んで読書を楽しめるようになります。

子どもとの遊びのおすすめは読書。

おままごとを一緒にするのが、得意でなくても、

公園でボールを追いかけることが、得意でなくても

楽しく本を一緒に読むことは、結構簡単。

本を読むことを、遊びだと思って、おうちの人も楽しく

取り組んでもらえると嬉しいです。

このほかに、0歳4ヶ月から、眠る前に必ず本を読んでから眠るようにしています。5歳になる今でも欠かさず行っていて、娘の楽しみの一つになっています。

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。